ガジェットブロガーのゴーゴーシンゴです(@go5shingo)
スマートリングは、Oura RingやSOXAI RING、RingConnなどを中心にここ数年で一気に製品数が増えました。
市場調査レポートを見ると、世界のスマートリング市場は2024年時点で約3〜7億ドル規模とされ、今後も年率20〜30%前後で成長していくと予測されています。
一方で、日本市場は2025年時点で約1,400万ドル、世界シェアにして約1.3%程度にとどまっており、かなりニッチな存在です。
つまり「世界的には伸びているが、日常生活で見かける機会はまだ少ない」「スマートウォッチほどの定番にはなれていない」という、チグハグな状況になっています。
本記事では、スマートリングが“なかなか定着しない理由”を、ユーザー目線と市場データの両方から整理しつつ、「それでも刺さる人」「今後普及するための条件」まで含めてまとめます。
「スマートリング気になっているけど、実際どうなの?」と気になる方はぜひご覧ください。
スマートリング市場データから見える「伸びているのにニッチ」の現実
まずはざっくり、市場規模のイメージを押さえておきます。
| 指標 | 数値の例 | 補足 |
|---|---|---|
| 世界市場規模(2024年) | 約3.5億〜7億ドル | 調査会社により差あり |
| 予測CAGR | 年率約21〜30% | 2025〜2030/2032年予測 |
| 日本市場(2025年) | 約1,400万ドル | 世界シェア約1.3% |
| 北米シェア | 米国だけで売上の約44% | 2025年推計 |
数値だけ見ると「伸びている成長市場」に見えますが、絶対額はまだ小さく、しかも売上のかなりの部分を米国など一部地域が占めています。
日本ではSOXAI RINGなどの国産ブランドも登場していますが、スマートウォッチのような「誰でも知っている存在」には程遠いのが実情です。
ここからは、「なぜそこまでメジャーになれないのか」を要因別に見ていきます。
スマートリングが定着しない7つの理由

ここではなぜスマートリングが日本で定着していかないのかについてさまざまな要因を紹介していきます。
1. 機能がスマートウォッチと被りすぎて“代替品”として埋もれる
多くのスマートリングは、心拍・睡眠・活動量などのヘルストラッキングをメイン機能としており、スマートウォッチやフィットネストラッカーと用途がほぼ丸かぶりです。
市場調査レポートでも以下の通りと言われております。
- 通話・メッセージング・ヘルスモニタリングなど幅広い機能を持ち、価格あたりの価値が高いスマートウォッチが「主要な代替品」としてスマートリングの成長を抑えている
と明言されています。
ユーザー側から見るとこう思われております。
- 「すでにApple WatchやGalaxy Watchで健康管理している」
- 「通知も決済も全部腕で完結している」
という状態から、あえて指輪型を追加する明確な理由が見えにくい。
「スマートウォッチでよくない?」で終わってしまうのが、普及の最大のブレーキになっています。
2. 小型ゆえの“物理的限界” ― バッテリーとセンサー精度のトレードオフ
スマートリングは、その形状自体が技術的ハンデです。
調査レポート
- 小さな筐体に多機能(健康モニタリング・NFC決済・通知など)を詰め込む必要があり、バッテリー容量や処理能力に制約が出る
- 大型バッテリーや強力なセンサーを搭載しづらく、バッテリー持ちや計測精度に影響しやすい
と指摘されています。
実際のユーザーレビュー
があり、「思ったほど楽じゃない」という印象を持つ人も少なくありません。
「リングだからこそ24時間つけっぱなしで健康管理できる」というコンセプト自体は魅力ですが、実際には“バッテリーと精度の綱引き”が続いているのが現状です。
3. 装着感とライフスタイルが噛み合わない
他の方のブログやレビューを読むと、「スマートリングそのものは面白いが、生活スタイルと合わなかった」という声が目立ちます。
具体的な不満として挙がるのは以下のような点です。
- リングに厚みがあり、マウス操作やダンベルを握るときにカツカツ当たってストレス
- 皿洗いなど水仕事のたびに外す必要があり、手間&紛失リスクが気になる
- 指輪が作業物や机に当たって傷がつきそうで、常に気を使う
- 指輪に慣れていない人にとっては「常に指に何か付いている」違和感が強い
例えば、「普段指輪をしないので、極太リングの存在感が気になる」「サイズが合わず、狙った指以外で使うことになった」という声が複数見られます。
スマートウォッチは「時計をつける習慣」の延長で受け入れられましたが、日本では日常的に指輪をつける文化がそこまで強くない層も多く、
“指輪前提のデバイス”という時点で、潜在ユーザーがかなり絞られてしまっています。
4. サイズ選びと購入プロセスのハードルが高い

スマートリングならではの“地味に大きな壁”が、サイズ選びです。
多くの製品が
- 事前にサイジングキットを取り寄せてサイズを計測
- その後、本体を注文
という2段階プロセスになっています。
他の方の意見でも、
- サイジングキットが有料で、実質的に「サイズ確認のための追加コスト」が発生する
- サイジングキットで測ったのに、本番リングはキツかった/ゆるかったというケース
- 購入後にサイズが合わないと、交換や返品が面倒(もしくは不可能)
といった不満が散見されます。
とくにクラウドファンディング発の製品では、
- サイジングキットの発送遅延
- 本体到着まで数カ月
- その間に熱が冷める
という“ガジェットあるある”が顕在化し、「届いた頃には興味がなくなっていた」という声もあります。
スマートウォッチが「ポチったらすぐ届く」「多少サイズが合わなくてもバンド調整でなんとかなる」のに比べ、
スマートリングは購入体験そのものが面倒なのも、普及の足かせになっています。
5. アプリと接続品質、サポート体制への不安
ハードだけでなく、ソフト面でのクオリティ不足も定着を阻んでいます。
ネガティブな事例として、SOXAI RINGに関する体験談です。
こうしたレビューはX(旧Twitter)などでも共有され、「スタートアップ系スマートリング=サポートが不安」というイメージにつながりがちです。
また、他の方の感想でも
スマートリングは「取り出して操作する」デバイスではなく、
- 24時間データを取り続ける
- アプリで“見える化”して価値を出す
タイプのガジェットなので、
アプリ体験が微妙だと「全部台無し」になります。
一方、SOXAI RING 1.1など、
- アプリ画面の情報粒度やUIのわかりやすさが高評価
- 国内サポートで安心感がある
と評価されている例もあり、プロダクトごとの差が激しい領域とも言えます。
6. 価格とサブスクの心理的ハードル
Oura Ringをはじめ、一部スマートリングは「本体+サブスク」という価格設計になっています。
レビューや比較記事では、
- Oura Ringは精度や機能は優秀だが、本体価格に加えて月額課金が必要
- 競合のSOXAI RingやRingConnは「買い切り+サブスクなし」を強く打ち出し、コスパを訴求している
- スマートウォッチはセール時の値崩れも含め、「できることの割に安い」と感じられやすい
といった構図になっています。
「ヘルスケアのために毎月お金を払う」ことに抵抗がない層にはOuraのモデルは受け入れられますが、
大多数のライト層にとっては、スマートウォッチやフィットネストラッカーのほうが“費用対効果がわかりやすい”のが現実です。
結果として、
- 機能被り → スマートウォッチが優位
- 価格インパクト → スマートウォッチのほうが割安感
という二重の理由で、スマートリングは“最後の一押し”に負けやすいポジションに置かれています。
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7. 認知度と文化的ハードル:「不思議な指輪」で止まってしまう
ユーザーの生の声を見ると、日本ではそもそも認知度が低いことも普及の壁になっています。
- b.ringユーザーがスマートリングをつけて帰省した際、両親から「不思議な指輪やな」「今さらおしゃれ?」と言われたという体験談
- 「スマートリングで健康管理している」と説明すると興味は持たれるものの、「自分も買う」というところまではいかない雰囲気
こうしたエピソードから見えてくるのは、
- スマートリングはまだ「一部のガジェット好きが使う珍しいアイテム」
- 一般層には“何をするものかイメージしづらい”
という立ち位置です。
市場調査でも、「スマートリングの機能や利点への理解不足が普及の妨げになっている」と指摘されており、
単純に広告量や露出の問題だけでなく、生活習慣・アクセサリー文化との相性も影響していると考えられます。
スマートリング vs スマートウォッチ:ユーザーから見た違い

ここでいったん、ユーザー目線での違いを整理しておきます。
この比較表からもわかる通り、
スマートリングは「情報を見る端末というより、データを取り続けるセンサー」に近い立ち位置です。
このコンセプトがハマる人には強力な武器になりますが、
多くのユーザーにとっては「まずはスマートウォッチでよくない?」となりやすい構造が、普及スピードを鈍らせていると言えます。
それでもスマートリングが“刺さる”ユーザー像
ここまで読むと「じゃあダメじゃん」で終わりそうですが、実際にはスマートリングを高く評価しているユーザーも一定数います。
どんな人に刺さりやすいのかについて考えてみたいと思います。
1. 「好きな腕時計+本格活動量計」を両立したい人
Oura Ringなどのレビューでは、
- 好きな機械式時計やアナログ時計をそのまま使いたい
- でも活動量や睡眠はしっかり記録したい
という理由でスマートリングを選ぶケースが多く見られます。
スマートウォッチに乗り換えると、
- 長年愛用してきた腕時計を外さなければならない
- 時計好きにとっては「趣味を捨てる」レベルの決断になる
という心理的ハードルがあるため、
「腕時計はそのまま、計測だけ指輪に任せる」というスマートリングのアプローチは、時計好きとの相性が非常に良いです。
2. 「寝るときに手首に何も付けたくない」睡眠特化ユーザー
睡眠トラッキング用途に絞ると、指輪型のメリットは分かりやすくなります。
- スマートウォッチは寝返りのときにゴツゴツ当たって邪魔に感じる
- バンド部分が蒸れてかぶれる、肌が弱くて長時間着けられないという声
- リングなら寝ている間も気にならず、24時間装着しやすいというレビュー
実際、Smart Recovery Ringなど「睡眠中も邪魔にならない快適さ」を強く打ち出す製品は、アラフォー以上の健康意識の高い層から好評価を得ています。

3. ウェアラブル初心者で「まずは負担の少ないもの」を試したい人
b.ringなどの体験談では、
- 安物スマートウォッチの頻繁な充電やゴツさがストレスで挫折
- 指輪なら充電頻度が少なく、装着感も軽くて続けやすい
- 睡眠スコアが数値で出ることで、生活習慣を見直すきっかけになった
といった「ヘルスケア入門デバイス」としての使い方も見られます。
とくに、
- スマートウォッチの見た目に抵抗がある
- 常時ディスプレイを腕につけるのが好みではない
といった層には、「目立たないガジェット」としてスマートリングがうまくハマるケースがあります。
普及のカギ:スマートリングが“定着”するための条件
最後に、今後スマートリングがより広く定着していくために必要だと考えられるポイントを整理します。
個人的な感想にもなると思うので、参考程度に聞いてください。
1. デザインと装着感の徹底的なブラッシュアップ

ユーザー離脱の大きな要因は、「指輪としての完成度」がまだ十分でないことです。
- 一般的な結婚指輪レベルの細さ・厚みまで薄型化
- 作業・家事で当たりにくい形状の工夫
- 手汗やアレルギーへの配慮(素材選定)
など、まずは「アクセサリーとして違和感がない指輪」であることが重要になります。
実際、世界最細クラスの幅をうたう国産リングや、センサーの出っ張りをフラット化したOuraのような工夫も出てきており、この方向の進化が進めば「邪魔で外す → データが途切れる」という事態は減っていくはずです。
2. 購入体験の改善:サイジングと返品・交換のしやすさ
購入前後のストレスを減らすことも、一般層への浸透には不可欠です。
といった取り組みが進むことで、「サイズが不安だからやめておく」という人を減らせます。
Apple Watchが「とりあえず店頭で試してみるか」で広がっていったように、
スマートリングも“触れる場所”と“失敗してもリカバーできる仕組み”を整えることが、普及のボトルネックになっています。
3. 「スマートウォッチにない価値」の明確化
スマートリングが本当にブレイクするには、
「スマートウォッチの代わり」ではなく、「スマートウォッチにはできないこと」を提供する必要があります。
候補としては、
- 非接触決済:スマホや時計を出さず、指一本で支払い完了
- ドア解錠・社員証・交通系など、“あらゆるキー”の統合デバイス化
- パスワードレス認証や個人IDのトークンとしての利用(PCログイン、2FAなど)
- 医療機関との連携を前提とした高精度ヘルスデータの自動共有
など、「常に身につける指輪だからこそ意味のあるユースケース」がキモになります。
現状でも一部のNFC対応リングは決済やタッチ決済連携をアピールしていますが、
まだ“あれば便利”レベルにとどまっており、「これのために絶対欲しい」と言い切れるほどのキラー機能には育っていません。
4. 信頼できるエコシステムとブランドの育成
SOXAI RINGのような国内ブランドが「日本語アプリ・国内サポート・買い切り」を武器に支持を集める一方で、サポート不備や炎上事例もあり、「スタートアップ製ウェアラブルへの不信感」を生んでいる側面もあります。
今後、スマートリングが本当に定着するには、
- 長期的なアップデートとサポートを約束できる企業が主導する
- 健康データの扱いについて透明性を高める
- 医療機関・保険会社・フィットネスクラブなどとの連携で“使い道”を広げる
といった、「プロダクト単体」ではなく「サービス全体」での信頼構築が欠かせません。
まとめ:今のスマートリングは「ニッチだけど、刺さる人には刺さる」ガジェット
スマートリングが定着しない理由を整理すると、機能がスマートウォッチと被りすぎて代替品として埋もれてしまう点、小型ゆえのバッテリーとセンサー精度の制約、指輪文化やライフスタイルとのミスマッチ、サイズ選びや購入プロセスの煩雑さ、加えてアプリ品質やサポート体制への不安、価格とサブスクの心理的ハードル、そもそもの認知度不足といった、構造的なハードルがいくつも重なっていることがわかります。
一方で、これらの壁を超えて刺さるユーザー像も明確です。
好きな腕時計を手放したくない時計好き、睡眠時に手首にデバイスを付けたくない睡眠トラッキングガチ勢、派手なガジェット感は嫌だが自分の体調を数値で知りたいウェアラブル初心者など、特定のニーズに対しては他では代替しづらい唯一の選択肢になりえます。
個人的には、ウェアラブル初体験で迷ったらまずはスマートウォッチのほうが無難です。
すでにスマートウォッチを使っていて、睡眠ログやコンディション管理をさらに突き詰めたいならスマートリングを検討する価値はありますし、機械式時計をどうしても外したくない人にとっては、スマートリングがベスト解になるケースも十分に考えられます。
購入前に必ずチェックすべきポイントは、サイズ選びの手間とリスク、実際の装着感のストレス、そしてアプリとサポートの信頼性の3点です。
これらがクリアできれば、スマートリングは“静かにデータを取り続ける相棒”として、あなたの健康管理に新しい視点を与えてくれるはずです。






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