自称オーディオ評論家のシンゴです(@go5shingo)
以前にQCY H3でぶっ飛びコスパと音質を誇ったモデルのバージョンアップ版が登場しました。
高音質はそのままにLDAC対応になりハイレゾ認証を有線、無線ともに取得しました。
さらにノイズキャンセリングは-50dBアクティブノイズキャンセリングともはや無音レベルに静音してくれるのでノイキャン最強機へと進化。
マルチポイントなどの使い勝手のよいのまそのままに、軽量化して付け心地もアップしました。
今回は期待しかない、QCY H3 Proをレビューします。
- -50dBの超強力ノイズキャンセリング
- 念願のLDAC対応
- 有線、無線ともにハイレゾ認証取得
- 空間オーディオ対応
- マルチポイント対応
- 60ms低遅延ゲームモード搭載
- LDACとマルチポイントの併用不可
高級ヘッドホンも真っ青な音質とコスパです
QCY H3 ProとH3のスペック比較
まず最初にQCY H3 ProとH3のスペックを比較します。
QCY H3 Pro | QCY H3 | |
---|---|---|
本体寸法 | 145.0×80.0×183.0mm | 160.2×81.7×196.8mm |
本体重量 | 約231g | 約260g |
搭載ドライバー | 40mmダイナミックドライバー | 40mmダイナミックドライバー |
バッテリー使用時間 | ANCオフ:約55時間 ANCオン:約40時間 | ANCオフ:約70時間 ANCオン:約60時間 |
バッテリー容量 | 550mAh | 500mAh |
充電時間 | 約2時間 | 約2時間 |
充電ポート | Type-C | Type-C |
Bluetoothバージョン | 5.4 | 5.3 |
通信距離 | 10メートル | 10メートル |
対応オーディオコーデック | LDAC/SBC/AAC | SBC/AAC |
防水規格 | 防水仕様ではない | 防水仕様ではない |
アクティブノイズキャンセリング | 〇(最大-50dB) | 〇(最大-43dB) |
マルチポイント | 〇 | 〇 |
ゲームモード | 〇 | 〇 |
空間オーディオ | 〇 | × |
通常価格(税込) | 7990円 | 6990円 |
今回レビューするQCY H3 Proのほうが後継機(上位機種)だけあって全体的なスペックは優れております。
特にノイズキャンセリングの性能が強化されており-50dB相当のノイズキャンセリングはかなり強力です。
例えばAirPods Pro 2(第2世代)が-45dB相当なので、凄さが分かるはず。
その他音質面ではLDACに対応し、有線、無線ともにハイレゾ認証を取得しました。
ただし強力なノイズキャンセリングの反動なのかバッテリー使用時間が減っているのは、残念なポイントですがヘッドホンのバッテリー持ちは非常に良いのでそこまで気にはならないと思います。
QCY H3 Pro外観レビュー
ここからはQCY H3 Proの実機外観を紹介します。
箱はこんな感じでいつものQCYと同じテイスト。
右上にはハイレゾ認証とLDACの文字があり。
カラーはブラックとホワイトがありますが、今回レビューするのはホワイトモデルです。
目玉は空間オーディオ、-50dBまで対応のアダプティブANC,40mmドライバーらしいです。
付属品は本体とUSBケーブル、3.5mm AUX有線ケーブル、説明書です。
USBケーブルは充電器側はUSB-Aになります。
有線ケーブルは1mと外出先でも使いやすい長さです。
説明書は日本語なので分かりやすいです。
本体はホワイト一色では無く、シルバーのメタリック素材が使われていて見た目もおしゃれかつ洗練されております。
ドライバーは大口径40mmドライバーを採用。
マイクは3基搭載し、ANCとクリアな通話を実現しているとのこと。
側面にはQCYの文字がさりげなく印字されていて、外で使っていてもカッコよいです。
イヤーカップ内側には「L,R」の文字がしっかりと印字されております。
これ左右の判別がしやすいので好きです。
メッシュ部分は大型ドライバーユニットが飛び出しているのが分かります。
もちろんクッションで高さがあるので耳に当たる心配もありません。
右側には物理ボタン類を配置。
電源ボタン、音量ボタン、ヘッドホン端子と内側に続きます。
さらにUSB-C充電端子、ANCボタンもあります。
基本的な操作はスマホレスでも出来るのが便利です。
QCYの特徴としてパッドがフカフカでとにかく優秀です。
素材は高級プロテインレザーを使っており、ヘッドパッド、イヤーパッドともに嫌な締つけも無く快適な付け心地です。
QCY H3 Pro使用レビュー
ここではQCY H3 Proを実際に使って感じた、メリット、デメリットを紹介します。
- 音質はクリア高精細で迫力あり
- LDACで高音質
- マルチポイント対応だが注意点あり
- ノイズキャンセリングは強い
- 外音取り込みはそこまで良くない
- 空間オーディオ対応
- ゲームモードは低遅延
- 珍しい「探す」機能
- マイク性能は普通
- 軽くて付け心地も最高
音質はクリア高精細で迫力あり
音質の傾向はバランス型ですが、やや低音が強めのサウンドに感じました。
大きな味付けも無く、楽器やボーカルそのままの音を楽しめます。
特に30%磁気強化された40mmダイナミックドライバーの低音の響きと音の響きが素晴らしく、長時間聞いていても疲れないハイクオリティーな音を鳴らせます。
音の傾向を考えてロックなどの楽器系やJ-Popなどのサウンドミュージックとの相性が良さそうです。
カナル型ヘッドホンにありがちな音の籠もりも無く、スッキリと音を鳴らせるのでかなり良いと感じました。
LDACで高音質
QCYのヘッドホンでついにLDACに対応しました。
特にAndroidユーザーにおすすめです。
LDACにすると明らかに音質と言うか、音が細かく聞こえて楽器隊とボーカル隊の音がより分離して聞こえるようになりました。
LDACはSONYが開発したコーデックなのでSONY系のヘッドホンに採用されていることが多いのですが、SONYはドンシャリ傾向が強く苦手だと思ってる人も一定数いると思います。
あと、できればLDACで接続したいところですが、iPhoneのSBC接続でも普通に音質が良かったので比べなければ違いは感じないと思いました。
マルチポイント対応だが注意点あり
マルチポイントにも対応し、2つの機器を同時接続が可能です。
マルチポイントの切り替えもBluetooth5.4のおかげで素早く、スマホ同士やタブレット、PCとの接続も全く問題ありません。
マルチポイントの注意点としてLDACとマルチポイントの併用は不可です。
Androidユーザーだと悩ましいですが、iPhoneならLDACが使えないのでマルチポイントを存分に活用できます。
ノイズキャンセリングは強い
ノイズキャンセリングは-50dBと数値上はかなり凄いです。
この数字って結構バラツキがあって、過信は禁物なのですが本機は数値通りに凄いです。
- 部屋の中→エアコンなどの空調音もほぼ無音
- カフェ→隣の人の話し声も聞こえない
- 電車内→走行音のガタンゴトンも7割減くらいになる
こんな感じでカナル型の密閉感と相まってノイキャンの効きは強いです。
ただAir Pods Proのようにスッと無音にする感じではなく、力技で音を小さくするような印象でノイキャンの消し方も上手さは価格なりかもしれません。
とは言え、多くの方が満足できるANC性能だと感じました。
ANCは効き方の調整がこまかく調整できます。
ノイズキャンセリングの種類
- アダプティブ
- 騒がしい
- 通勤
- 室内
- 風切音低減
ノイキャンモードの種類が多いので逆に選びづらくて不親切にも感じますが、バランスが良いのが「騒がしい」です。
ノイキャンと外の音が聞こえるバランスが良いので迷ったら騒がしいに設定しとくのがおすすめです。
外音取り込みはそこまで良くない
ANC機能の他に外音取り込み機能もあります。
ただし、あんま性能と言うかそこまで良いと思えなかったのが正直な印象。
そもそもヘッドホンを付けたまま会話する場面も少ないし、少し話したい時はヘッドホンを首に掛けたりするので多用する機能では無いと感じてしまいました。
個人の感想だし僕は外音取り込みはほぼ使いません
空間オーディオ対応
珍しい機能として空間オーディオにも対応しております。
実際はコンテンツの質によることが多いのですが、映画などを見る時に擬似立体音響のように音の広がりや厚みを感じられたので面白い機能だと感じました。
本格的な空間オーディオではありませんが、手軽に試してみたい方にはおすすめだと感じます。
ゲームモードは低遅延
ゲームモードは60ms(0.06秒)の低遅延でプレイが可能です。
僕は音ゲーやFPSなどをやらないので分かりませんがスペックを見る限りは全然大丈夫そう。
最新のBluetoothで接続も安定してるので、ゲーム用のヘッドホンとしてもアリかもしれません。
珍しい「探す」機能
QCY製品の特徴として「探す」機能に対応しております。
最後に電源を付けた場所をGoogleマップで表示することが可能。
万一置き忘れや電車の中にカバンごと忘れた場合に救出できるかもしれません。
また音声再生も可能で、家の中でヘッドホンが行方不明になった場合もビープ音を出し見つけることもできます。
マイク性能は普通
マイク性能は普通と言った感じでめちゃくちゃ悪いわけでもなく、普通に良いと言った感じです。
こちらはエアコンや空調が聞いてノイズの多い環境で録音しましたが、比較的クリアに録音できておりました。
マイクの高性能のマイク3基を搭載してるそうなので、ヘッドホンとしてマイク性能に力を入れてる印象です。
軽くて付け心地も最高
持った印象ですけどヘッドホンにしてはとにかく軽いです。
肉厚なパッドを装備していながらも軽さにこだわってる印象。
重さも232gとヘッドホンとしては軽い方です。
ヘッドホンの重さの平均が250〜300gくらいなので、今までヘッドホンの重さに苦手意識があった方でも使えると思います。
QCY H3 ProとH3どっちがおすすめ?
ここではQCY H3 ProとH3を迷っている方向けに選び方のポイントを書いておきます。
- 音質傾向は似ている
- Android使いならProがおすすめ
- 大きさと重さは結構違う
- 価格差
- どっち買う?
音質傾向は似ている
まず肝心の音質傾向ですが同一シリーズだけあって音の傾向は似ております。
おそらく目隠しして聞いたらどっちも同じ風に感じるかもです。
ただPro板のほうが音の広がり感や音響感が強いので、40mmダイナミックドライバーは同じでも30%磁気を強くしているのも納得できました。
Android使いならProがおすすめ
コーデックがLDACに対応したのが大きいです。
Androidならハイレゾ再生のLDACが使えるので迷わずProを買うのがおすすめだと思います。
大きさと重さは結構違う
見ての通り大きさは結構違います。
上位機種のProのほうが実はコンパクトで持ち運びもしやすいです。
外出先で使いたい方はProがおすすめだと感じます。
重さも体感で結構違います。
- H3→265g
- H3 Pro→232g
約33g違うと頭に付けた時の疲れや軽快さも違うので、Proはつけ心地も含めて軽いのがメリットです。
価格差
価格差も少しあります。
価格の違い
- H3→6,980円
- H3 Pro→7,990円
定価の価格差は1,000円とほぼ誤差と言った感じ。
H3のほうがセール等で安くなりやすいですが、価格がそんなに無いので個人的にProを購入したほうが後悔が少ないと感じます。
どっち買う?
どっちを買っても損しないと思いますが選び方は以下だと思います。
H3とH3 Proの選び方
- Androidユーザー→迷わずPro
- iPhoneユーザー→予算を抑えたいならH3だけどPro版のほうが軽いのでおすすめ
こんな感じで選べば良いと思います。
どちらも素晴らしいですがやはり後発製品のほうが性能が高くおすすめです。
(まとめ)QCY H3 Proレビュー
以上がQCY H3 Proのレビューでした。
QCYってやっぱ音質凄い良いですね。
特に名機と感じていたH3をパワーアップさせてくるのは、予想外でした。
個人的に1万円以下のヘッドホンでは音質は最高峰だと思っております。
もちろんノイズキャンセリングも含めれば総合点は最上位の商品です。
良すぎてデメリットが無いレビュアー泣かせの商品でもありました