ガジェットブロガーのゴーゴーシンゴです(@go5shingo)
2025年12月29日、映像プロから高級アマチュアまで信頼を集めるメモリーカードメーカー「ProGrade Digital」が、2026年1月8日からの大幅値上げを発表しました。
その値上げ幅は最大107.6%。
つまり、現在の価格から約2倍にまで跳ね上がるということです。
4K動画撮影に欠かせないSDカードを購入予定なら、今が最後のチャンス。
この記事では、値上げの背景、影響を受ける製品、そして賢い購入戦略までを詳しく解説します。
ProGrade Digitalが発表した大幅値上げの詳細
ここではまずは衝撃の値上げについて紹介します。
値上げ実施日:2026年1月8日(木)
ProGrade Digital Inc.は12月29日、メモリーカード、カードリーダー、ポータブルSSDなど複数製品の価格改定を2026年1月8日に実施すると正式に発表しました。
衝撃的な値上げ率
最も値上げ幅が大きいのは、4K動画撮影の定番カードであるSDXC UHS-II V60 GOLDシリーズです。
| 製品名 | 現在の価格 | 値上げ後 | 値上げ率 | 値上げ額 |
|---|---|---|---|---|
| V60 GOLD 128GB | 6,600円 | 13,700円 | +107.6% | +7,100円 |
| V60 GOLD 256GB | 11,600円 | 23,900円 | +106.0% | +12,300円 |
| V60 GOLD 512GB | 23,100円 | 46,100円 | +99.6% | +23,000円 |
| V60 GOLD 1TB | 41,300円 | 92,100円 | +123.0% | +50,800円 |
microSDカードも同等かそれ以上の値上げを予定しており、V60 GOLD 128GBで+104.4%、256GBで+104.2%となります。
プロフェッショナル向けのV90シリーズについては比較的抑えめですが、それでもCOBALT 64GBで+65.1%の値上げです。
CFexpress(映画・高速撮影用)やポータブルSSDも対象で、やはり大幅な値上げが実施されます。
値上げの背景:AI時代の半導体争奪戦?
なぜここまで急激な値上げが必要なのか?
その背景には、グローバルな半導体市場の激変があると思われます。
原因①:AI インフラ構築による需要急増
ChatGPT、Gemini、Claude等の生成AIが急速に普及する中、データセンター向けのメモリチップへの需要が急増しています。
NVIDIA、AMD、Intel、TSMC等のハイエンドプロセッサを製造するための高速メモリが枯渇状態に陥っており、メモリメーカーはこちらの需要を優先しているのです。
その結果、カメラ用メモリーカードに使われるフラッシュメモリも供給の減少と価格上昇に直面しています。
原因②:為替レート見直し
同時にProGrade Digitalは、為替レートを現在の1ドル=150円から1ドル=155円に見直しました。
この為替調整だけでも約3%の値上げ要因となりますが、メモリーカード類の値上げ幅はそれをはるかに超えており、物質的なコスト増加がより大きな要因であることが明らかです。
原因③:業界全体への波及の可能性
重要な点は、ProGrade Digitalだけの問題ではないということです。
SanDisk、Transcend、Lexar、Sony等の大手メモリーカードメーカーも同じグローバル市場の中で活動しており、今後、他社でも同様の値上げが実施される可能性が極めて高いのです。
つまり、「ProGrade Digitalが高いから他社にしよう」という判断は、実は近い将来的には選択肢が限定されることを意味します。
なぜ4K動画撮影にはV60以上が必須なのか
ここで、4K動画撮影にとってSDカードのスピードクラスが重要な理由を改めて整理しておきます。
V規格(Video Speed Class)の意味
SDカード規格の「V」で始まる数字(V30, V60, V90)は、最低保証される書き込み速度を示しています。
| クラス | 最低書込速度 | 用途 |
|---|---|---|
| V30 | 30MB/s | 標準4K(30fps程度)※条件付き |
| V60 | 60MB/s | 4K 60fps、高ビットレート4K、Log撮影 |
| V90 | 90MB/s | 8K動画、プロフェッショナル用途 |
ここで重要なのは、この数字は「最大速度」ではなく「最低保証速度」という点です。
4K撮影で必要になる実スピード
ソニーα7IV、キヤノンEOS R5などの4Kカメラは、高ビットレートで動画を記録します。
例えば、4K 60fpsで撮影する場合、最低でも50~60MB/sの安定した書き込み速度が必要になります。V30では不安定になり、撮影途中に記録が止まるリスク(バッファオーバーフロー)が高まります。
一方、V60対応SDカードなら、このビットレートでも余裕を持って対応できるため、長時間の4K撮影でも安心です。
UHS-II対応が速度の下限
さらに重要なのは、ProGrade Digital GOLD V60が採用するUHS-II(Ultra High Speed II)規格です。
UHS-IIは最大312MB/sの転送速度に対応しており、これにより4K 60fps、さらには高ビットレートのLog撮影まで対応可能な余裕が生まれます。
実際のProGrade GOLD V60の実測速度は最大250MB/sであり、一般的なSDカード(UHS-I、104MB/s程度)と比較するとその性能差は歴然です。
ProGrade Digital値上げ対象製品の全リスト
ここではProGrade製品の値上げ対象製品について紹介します。
SDXC UHS-II(最人気カテゴリー)
まずはカメラマンに最も影響の大きいSDXC UHS-II(SDカード)値上げです。
V60 GOLD シリーズ(4K撮影推奨)
- 128GB:6,600円 → 13,700円(+107.6%)
- 256GB:11,600円 → 23,900円(+106.0%)
- 512GB:23,100円 → 46,100円(+99.6%)
- 1TB:41,300円 → 92,100円(+123.0%)
ゴーゴーシンゴ1番使うのが2倍になってしまいます!
V90 COBALT シリーズ(プロ用途)
- 64GB:8,300円 → 13,700円(+65.1%)
V90 IRIDIUM シリーズ(最高性能)
- 128GB:16,500円 → 20,500円(+24.2%)
- 256GB:33,000円 → 39,300円(+19.1%)
- 512GB:74,300円 → 78,500円(+5.7%)
- 1TB:132,000円 → 153,500円(+16.3%)
microSDXC UHS-II(ドローン・アクションカム向け)
アクションカムなどに多く使われるmicroSDも値上げです!
V60 GOLD シリーズ
- 128GB:6,800円 → 13,900円(+104.4%)
- 256GB:11,800円 → 24,100円(+104.2%)
- 512GB:23,300円 → 46,300円(+98.7%)
CFexpress Type B(映画・8K撮影向け)
ハイエンドのカメラに多く使われているCFexpress Type Bも値上げ、、、。
GOLD シリーズ
- 240GB:21,500円 → 29,000円(+34.9%)
- 512GB:31,400円 → 42,700円(+36.0%)
- 1TB:54,500円 → 81,900円(+50.3%)
- 2TB:99,000円 → 162,000円(+63.6%)
IRIDIUM シリーズ
- 400GB:33,000円 → 46,100円(+39.7%)
- 800GB:62,700円 → 85,300円(+36.0%)
- 1.6TB:122,100円 → 165,400円(+35.5%)
ポータブルSSD(データ保管用)
- PG10 Pro 2TB:66,000円 → 68,200円(+3.3%)
- PG10.5 Pro Mini 1TB:29,700円 → 61,000円(+105.4%)
- PG10.5 Pro Mini 2TB:49,500円 → 88,700円(+79.2%)
- PG30 1TB:23,100円 → 42,700円(+84.8%)
- PG30 2TB:41,300円 → 85,300円(+106.5%)
用途別:今あなたが買うべきSDカード
値上げ対象となった製品は多いですが、撮影用途別に最適な選択肢を個人的に整理しました。
パターン①:YouTube動画制作・Vlog撮影
推奨:SDXC UHS-II V60 GOLD 256GB
- 理由:4K 60fps撮影に十分な性能
- 容量:1時間の4K 100Mbps撮影で約45GB使用するため、複数テイク対応に256GB推奨
- 現在価格:11,600円 → 値上げ後:23,900円
- 節約額:12,300円(値上げ前に購入で節約可能)
パターン②:一眼レフ/ミラーレスカメラの4K撮影(ソニーα7IV、キヤノンR5など)
推奨:SDXC UHS-II V60 GOLD 512GB
- 理由:Log撮影やハイビットレート4K 100Mbps対応
- 容量:512GBあれば約11時間の4K 100Mbps撮影が可能
- 現在価格:23,100円 → 値上げ後:46,100円
- 節約額:23,000円
複数カメラ運用の場合は、V60 GOLD 256GBを2枚購入するのも有効です(リスク分散・冗長性確保)。
パターン③:ドローン・アクションカム(DJI Air 3、GoPro 12など)
推奨:microSDXC UHS-II V60 GOLD 256GB
- 理由:4K撮影対応、スマートフォン転送も含めて対応可能
- 現在価格:11,800円 → 値上げ後:24,100円
- 節約額:12,300円
パターン④:8K動画・プロ映像制作
推奨:CFexpress Type B GOLD 512GB以上
- 理由:8Kビデオコーデックの高ビットレート対応
- 現在価格:31,400円 → 値上げ後:42,700円
- 節約額:11,300円
他のメモリーカードメーカーとの比較
「他のメーカーなら値上げを回避できるのでは?」と考えるのは自然ですが、現実はそう単純ではありません。
| メーカー | 特徴 | 現在の価格帯 | 値上げ見込み |
|---|---|---|---|
| ProGrade Digital | UHS-II対応、最高性能 | V60 256GB:11,600円 | 1月8日に+106% |
| SanDisk Extreme Pro | 最大容量が豊富 | V60 256GB:約12,000円 | 未発表(波及の可能性高) |
| Sony SF-G UHS-II | ソニーカメラユーザー向け | V60 256GB:約15,000円 | 未発表 |
| Transcend Premium | バランス型、保証期間長 | V60 256GB:約8,000円 | 未発表 |
今後のポイント
ProGrade Digitalが先陣を切って値上げを宣言している理由は、同社の調達能力が限定されていることを示唆しています。
今後数週間~数ヶ月で、SanDiskやSony、Transcendなども同様の値上げを発表する可能性が極めて高いのです。
つまり、「高い」と感じてProGrade Digitalを避けたとしても、他社製品も時間差で値上げされ、結局選択肢が限定される可能性があります。
正月セール中の購入がお得な理由


現在、Amazon等では年末年始セール期間中です。さらに有利な条件があります。
現在利用可能な割引
- 初売りセール:通常時よりも10~20%程度の割引がある製品が多数
- ProGrade Digital公式ストア:セール対象製品があれば追加割引の可能性
- ポイント還元:Amazon Prime会員なら+ポイント還元
シミュレーション例
V60 GOLD 256GB の場合
| 購入時期 | 定価 | セール価格 | 値上げ後 | 差額 |
|---|---|---|---|---|
| 今すぐ購入(セール利用) | 11,600円 | 約9,280円(20%OFF) | 23,900円 | 14,620円節約 |
| 1月8日以降 | × | × | 23,900円 | 基準値 |
セール価格で購入した場合、値上げ後の定価と比較して14,620円の節約が可能です。
購入前のチェックリスト
慌てて購入する前に、確認すべきポイントをまとめました。
✓ 自分のカメラが対応しているSDカード規格の確認
- UHS-I対応?それともUHS-II対応か
- 最低必要なビデオスピードクラス(V30?V60?V90?)
- 最大対応容量
例:ソニーα7IV → UHS-II V60以上推奨 など
✓ 撮影スタイルに応じた容量の選択
- 短時間撮影が中心 → 128GB
- 1時間以上の連続撮影 → 256GB
- 複数シーン、バックアップ必要 → 512GB以上
✓ 複数カード運用のメリット
同じモデルを2~3枚購入することで:
- カメラ故障時のリスク分散
- 容量不足による撮影中断の回避
- バックアップの効率化
✓ 保証内容の確認
ProGrade Digitalは3年間のメーカー保証を提供しており、これは競合品と比較しても手厚いです。
まとめ
今回は以上となります。
カメラマンを10年以上やってますが、いきなり価格が2倍以上になるのは初めてです。
絶対に必要になるので忘れずに購入しておきましょう。














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