ガジェットブロガーのゴーゴーシンゴです(@go5shingo)
趣味でポートレート撮影をしております。
この記事ではスタジオ撮影からロケーション撮影まで、ポートレート撮影を極めるためのカメラメニュー設定、レンズの組み合わせ、ライティング実装を詳細に解説します。
プロフェッショナルな仕上がりを実現するための、設定順序と理由も含めて分かりやすく紹介できればと思います。
カメラメニュー設定:AFと露出の最適化
まずは1番大切なカメラの設定関係を紹介しておきます。
瞳AF設定の最適化:精密ピント合わせの基本

EOS R6の瞳AF機能は、デュアルピクセルCMOS AFにより、画面全体(100%×100%)での被写体検出が可能です。
ただし、デフォルト設定のままでは、機能を十分活用できません。以下の手順でカスタマイズしてください。
推奨設定フロー
| メニュー項目 | 設定内容 | 理由 |
|---|---|---|
| AF方式 | ワンショットAF | ポートレート撮影では被写体が静止しているため、サーボAFは不要。ピント固定で精密性を優先 |
| 検出する被写体 | 人物 | 瞳AFを人物に限定。動物AFは不要 |
| 瞳検出 | ON(する) | 瞳に優先的にピントを合わせ、目の輝きを表現 |
| トラッキング | OFF(しない) | 被写体が動かないポートレートではトラッキングは不要。反対にONだとピントが流れるリスク |
| AIフォーカスAF | 使用しない | AF方式をワンショットに固定 |
| AFフレーム位置 | 自動選択(中央固定も可) | 瞳AFが自動で検出するため、AFフレーム位置は「全域AF」で問題なし |
実際の撮影フロー
- ファインダーをのぞき、被写体の瞳にピントを合わせたい位置を決定
- シャッターボタンを半押しすると、EOS R6が自動で瞳を検出
- 瞳フレーム(小さい四角い枠)が瞳にロック。そのままシャッターを押す
- 重要:被写体が少しでも動いた場合は、再度AF(シャッター半押し)をやり直す
このワンショット+瞳AF固定の組み合わせにより、ピント面の精密性が向上し、RF85mm F1.2Lなどの被写界深度が浅いレンズでも確実にシャープなポートレートが撮影できます。
フリッカーレス機能の効果的な使い方

スタジオ撮影で最も一般的な問題が「フリッカー(ちらつき)」です。
蛍光灯は50Hz(西日本)または60Hz(東日本)で点滅しており、高速シャッターで撮影すると、画面の上下で露出差が生じたり、連続撮影時に色被りが発生します。
フリッカーレス撮影の設定
メニュー → 撮影 → フリッカーレス撮影を「する」に設定
使用時の注意点
- ✓ フリッカーレス撮影を「する」に設定すると、レリーズタイムラグ(シャッターを押してから撮影されるまでの遅延)が0.2~0.5秒程度長くなる可能性があります
- ✓ 連写速度が低下する(12コマ/秒から9-10コマ/秒程度に低下)
- ✓ 初回使用時は、フリッカー検知処理に0.5秒~1秒程度の時間がかかるため、実際に撮影前に1枚テスト撮影することをお勧めします
実装の判断基準
| 光源 | フリッカーレス設定 | 理由 |
|---|---|---|
| スタジオ蛍光灯(HF・FL) | ON(する) | フリッカー発生確率最高。連写使用時は必須 |
| LED照明 | OFF(しない) | 最新のスタジオLEDはフリッカーなし。むしろ処理で遅延増加 |
| Godox V860 IIなど(ストロボ) | OFF(しない) | ストロボ光はフリッカーなし。フリッカーレス不要 |
| 自然光(窓光) | OFF(しない) | 太陽光はフリッカーなし |
重要:蛍光灯スタジオでの実装例
三脚を使用したスタジオポートレート撮影で、フリッカーレス「する」を設定した場合、1枚撮影に計0.6~1.2秒のタイムラグが発生します。
被写体が笑顔を作って「はい、撮ってください」と言ってから、実際に撮影されるまで最大1秒の遅延がありますので、撮影前に被写体に「シャッター音が聞こえるまで笑顔をお願いします」と説明しておくことが大切です。
C-RAW と JPEG の併記設定で後処理の自由度を最大化

EOS R6はC-RAW(キヤノンロスレスRAW)とJPEGを同時記録可能です。
この設定により、本番中はJPEGの見た目で確認しつつ、後処理でC-RAWのすべての情報を活用できます。
推奨設定
メニュー → 撮影 → 記録画質 → 「RAW + JPEG(最高画質)」を選択
| 設定項目 | 選択値 | 効果 |
|---|---|---|
| RAW | RAW(または C-RAW) | 情報量最大。後処理で露出・色温度を自由調整可能 |
| JPEG | ファイン(最高画質) | 1回の撮影で2ファイル生成(RAWとJPEG) |
| ホワイトバランス | 撮影時のカメラ設定 | JPEGに反映。後でRAWは別途現像可能 |
メリット
- 撮影中の確認が簡単:JPEGで即座に露出・色かぶりが確認できる
- 後処理の自由度:C-RAWで露出補正、色温度、ハイライト復元が可能
- クライアント対応:JPEG撮って出しをSNS展開、C-RAWをポートフォリオ版として活用
注意点
- ファイルサイズが2倍になるため、SDカード容量を十分に用意(128GB以上推奨)
- 1回の撮影で2ファイルが生成されるため、後処理の管理が複雑化
- バッテリー消費が若干増加

EOS R6:推奨レンズの組み合わせ別ガイド
ポートレート撮影の仕上がりは、レンズ選択で60%決まると言っても過言ではありません。
以下、3つのレンズパターンで、設定とボケ表現の違いを解説します。
パターン①:RF85mm F1.2 L での撮影設定(最高峰のポートレートレンズ)
用途: スタジオ高級ポートレート、ウェディング、著名人撮影
RF85mm F1.2Lの特性
- F1.2の圧倒的に浅い被写界深度により、背景を完全にボカしながら、シャープさで描写
- 85mm焦点距離は、顔のパースペクティブ(遠近感)を自然に表現。35mm~50mmより圧倒的に顔が立体的に見える
- ナノUSM駆動により、AF速度が高速。EOS R6の瞳AFとの組み合わせで、ピント外し率ほぼ0%
カメラ設定
AF時の検出被写体優先AEの設定
メニュー → 撮影 → 「AF時の検出被写体優先AE」を「する」に設定
この機能により、瞳をAFで検出した時点で、その瞳の露出を優先的に測光します。
背景が明るい(窓光など)でも、瞳が暗くなることなく、自然な肌色で描写されます。
実際の撮影フロー
① 絞りをF1.2に設定
② シャッタースピードは1/500秒でスタート(明るさを見て調整)
③ ISO 100 を基本に
④ ファインダー内で被写体の瞳を確認
⑤ シャッター半押しで瞳AFを開始
⑥ 瞳フレームがロック → シャッター全押し
⑦ テスト撮影の画像を再生確認
⑧ 露出が暗い場合:SS短縮 or ISO上げ
⑨ 露出が明るい場合:ND フィルター導入 or F値を少し絞る(F1.4へ)
ND フィルター の活用
日中撮影でRF85mm F1.2を開放で使用すると、シャッタースピードが1/2000秒を超える場合があります。
EOS R6の最高シャッタースピードは1/8000秒なので余裕がありますが、露出をコントロールしたい場合はND 2~3段フィルターを導入してください。
これにより、シャッタースピードを1/500~1/1000秒の範囲で維持でき、被写体の動きに対応しやすくなります。
ボケ表現の調整
| 撮影距離 | 背景との距離 | ボケ表現 | 推奨構図 |
|---|---|---|---|
| 最短撮影距離 85cm | 背景 2m以上 離す | 最高級のボケ(背景完全消失) | クローズアップポートレート、顔のアップ |
| 1.2m(標準) | 背景 1.5m以上 | 高級なボケ。背景の形は認識できるが、完全にアウトフォーカス | 上半身ポートレート |
| 2m以上 | 背景制限なし | ボケ感は減少するが、全身ポートレートで活用 | 全身ショット |
パターン②:RF50mm F1.8 STM でのコスパ運用(初心者からセミプロまで)
用途: 日常ポートレート、スナップ撮影、SNS用コンテンツ制作
RF50mm F1.8 STMの特性
- 5万円以下の低価格ながら、F1.8の明るさと鮮鋭な描写を両立
- RF85mm F1.2比で、ボケは控えめだが、自然で親しみやすい質感
- 手ぶれ補正非搭載のため、EOS R6のボディ内5軸補正(8段)に頼る必要あり
- ステッピングモーター(STM)駆動で、AF音が静か。ビデオ撮影にも対応
カメラ設定の違い
RF50mm F1.8は手ぶれ補正非搭載のため、シャッタースピード設定が重要です。
| 撮影環境 | ISO感度 | 絞り値 | シャッタースピード | 理由 |
|---|---|---|---|---|
| 日中屋外(晴天) | 100~400 | F2.0~F2.8 | 1/500~1/1000 秒 | 明るい環境。シャッター速度優先 |
| 室内(窓光利用) | 800~1600 | F1.8 | 1/125~1/250 秒 | ボディ内手ぶれ補正で低速シャッター対応可能 |
| 薄暗い室内 | 1600~3200 | F1.8 | 1/60~1/125 秒 | 高感度使用。手ぶれ補正フル活用 |
| 夜間撮影 | 3200~6400 | F1.8 | 1/30~1/60 秒 | 三脚推奨。または固い手持ち撮影 |
実装のコツ:シャッタースピードの「レンズルール」
RF50mm F1.8の場合、最低シャッタースピードは「焦点距離の逆数」程度が安全です。
50mm であれば、1/50秒が理論値。ただし、EOS R6の手ぶれ補正が8段あるため、実際には 1/30秒程度まで問題なく手持ち撮影可能です。
コントロールリングの活用
RF50mm F1.8には、フォーカスリング下部にカスタムコントロールリングが装備されています。
このリングにISO感度を割り当てることで、シャッターボタンから指を離さず、ISO感度を素早く調整できます。
推奨設定
カスタムメニュー → レンズアクセサリー → コントロールリングに「ISO感度」を割り当て
撮影中、ファインダーを覗きながら、左手でコントロールリングを回すだけでISO感度が変わります。
これにより、撮影のテンポが大幅に向上し、一瞬の表情を逃さず撮影できるのでおすすめです。
パターン③:EFレンズ(中古)活用時の注意点と最大化戦略
用途: 予算限定のセットアップ、EF85mm F1.8 USM などの高級単焦点の活用
EOS R6は、EF-RF マウントアダプターを使用することで、従来のキヤノンEFレンズをすべて使用可能です。
中古EF85mm F1.8 USMは5万円前後で入手可能であり、コストパフォーマンスに優れています。
EFレンズ使用時の注意点
| 項目 | EFレンズ(アダプター使用) | RF レンズ | 影響度 |
|---|---|---|---|
| AF速度 | ナノUSM駆動で高速 | ナノUSM駆動で高速 | 同等 |
| 瞳AF精度 | RF同等に対応 | 標準 | 同等 |
| 手ぶれ補正 | ボディ内補正のみ | ボディ内補正 | 同等 |
| 重量 | アダプター約150g追加 | 重量軽い | EF+アダプターが重い |
| オートフォーカスの駆動音 | 若干大きい傾向 | 静か | EFの方が少し大きい |
| RF専用機能 | 使用不可 | 使用可能 | RF固有機能なし |
EFレンズ活用の実装例:EF85mm F1.8 USM(中古 5万円)
RF85mm F1.2L(35万円)との価格差は30万円ですが、ポートレート基本撮影では、解像度とボケの質感は同等レベルと言っても過言ではありません。
| 項目 | EF85mm F1.8 | RF85mm F1.2L | 実用差 |
|---|---|---|---|
| 開放絞りでの解像度 | 優秀 | 超優秀 | わずか(2段階程度) |
| ボケ質感 | 自然で柔らか | より柔らか(DS コーティング可) | わずか |
| 被写界深度 | F1.8でも浅い | F1.2でさらに浅い | RF有利だが、写真効果は微差 |
| 価格 | 50,000円 | 350,000円 | 圧倒的にEF有利 |
推奨設定
撮影モード:マニュアル(M)
絞り値:F1.8 開放
シャッタースピード:1/1000~1/2000秒(日中)
ISO:100~200
ホワイトバランス:撮影場所に応じて
メニュー確認:EF-RF マウントアダプター装着状態で、AF方式「ワンショット」「瞳AF」が正常に動作すること
EFレンズ使用時の注意:AFの遅延
稀に、マウントアダプター使用時にAFのフォーカスシフト(ピントのずれ)が発生することがあります。
初回使用時は、必ず本撮影前にAFテスト撮影を実施し、ピント位置を確認しましょう。

ライティング・照明との組み合わせ実装ガイド
ここではストロボなどの組み合わせについても書きます。
Godox V1 での運用例:スタジオポートレートの完成形

- ガイドナンバー:60(ISO 100・焦点距離200mm時)
- バッテリー:Li-ion 2000mAh(フル発光650回)
- チャージ時間:フル発光時1.5秒
- 対応マウント:キヤノン、ニコン、ソニー(Canon 対応)
基本的な設定
| 設定項目 | 推奨値 | 理由 |
|---|---|---|
| TTL/マニュアルモード | マニュアル(M) | スタジオ環境では、ストロボ光の一貫性を重視。TTLより手動設定が確実 |
| 光量設定 | 1/2 ~ 1/4 | スタジオの反射光を考慮。フル発光は背景まで露出するため不要 |
| ズーム(照射角) | 85mm 相当(ストロボのズーム機能) | RF85mm F1.2Lに合わせ、88mm相当の照射角を設定 |
| チャージ音 | OFF(しない) | モデルの集中力を欠かさないため、無音チャージ推奨 |
キヤノン EOS R6 の設定
撮影モード:マニュアル(M)
絞り値:F2.0~F5.6(ストロボのガイドナンバーで決定)
シャッタースピード:1/200秒(ストロボシンクロ最高速)
ISO:100
ストロボモード:ワイヤレス TTL(Xpro-C トリガー使用)

Godox V1と EOS R6 の連携設定
Godox V1をEOS R6のストロボポートとして使用する場合、以下の手順で無線通信を確立します。

- Godox X-Pro-C トリガー(キヤノン対応)をカメラのホットシューに装着
- Godox V860 II の電源をON、チャネル「11」に設定
- X-Pro-C トリガーと V860 II が自動認識
- EOS R6 のカメラ設定で、ストロボ発光を「ワイヤレス」に設定

実装例:スタジオ蛍光灯 + Godox V1の組み合わせ
| ライティング構成 | カメラ設定 | 効果 |
|---|---|---|
| メインライト:V860 II × 1(被写体前方45度) | F4.0 / 1/200秒 / ISO 100 | 瞳に白くキャッチライトが入り、プロフェッショナルな輝きを表現 |
| フィルライト:レフ板(背側) | – | ストロボの光が背側に反射、顔の暗部を自然に明るく |
| 背景ライト:なし | – | 白いシーライト背景との露出差で、被写体が浮かび上がる |
Godox V1 光量の決定方法
ガイドナンバー(GN)= 60
必要な光量(1/2、1/4など)により、設定を調整
例:被写体 2m での露出計算
GN 60 ÷ 2m = F30 になるため、1/4 に絞り込み
実際の設定:1/4 発光 → F5.6 程度が適正露出
室内スタジオでの ISO 感度選択基準
ストロボを使用するスタジオ環境では、ISO感度とシャッタースピード、ストロボ光量の3つのバランスが重要です。
シナリオ別設定
| 撮影シナリオ | ISO | 絞り | SS | V1光量 | 背景露出 | 仕上がり |
|---|---|---|---|---|---|---|
| プロフェッショナル(背景暗い) | 100 | F4.0 | 1/200 | 1/2 | 真っ黒 | 被写体が浮かぶ(高級感) |
| グローイング(背景明るい) | 100 | F5.6 | 1/200 | 1/4 | 白く出る | 優しい印象(SNS映え) |
| スポットライト効果 | 100 | F8.0 | 1/200 | 1/8 | ほぼ黒 | 舞台照明的(ドラマチック) |
| 明るい屋外(日中シンクロ) | 200 | F2.8 | 1/200 | 1/2 | 自然光 | 日中でもスタジオライティング効果 |
初心者向け推奨設定
① まず ISO 100、F4.0、SS 1/200 から スタート
② Godox V1 の光量を 1/2 に設定
③ テスト撮影
④ 被写体の顔が暗い → ISO 200に上げる or V1を1/1に上げる
⑤ 被写体が明るすぎる → ISO 100に下げる or V1を1/4に下げる
⑥ この3つのバランスで、「自分好み」の仕上がりを見つける






コメント