ポートレート撮影が趣味のシンゴです(@go5shingo)
RAW現像において重要なのが写真の色味です。
モニター間やスマホ、タブレットによって色味が変化しまくって、正確な色が必須となります。

そんなフォトグラファーの要望に答える機器が、BenQカラーマネジメントモニターSW272Uです。
正確な色表現が可能な4KUHDのモニターでAQCOLOR技術のモニターです。
世界的な色表現認証のPANTONE/CALMAN認証を取得しており、ハードウェアキャリブレーションにも対応。
その他外部の環境光の影響を受けないように遮光フードも付属するなどアマチュア〜プロカメラマンの要望を満たすスペックです。
価格が高価な製品ではありますが、Adobe RGBを99%表現できるなど妥協なきスペックを誇ります。
今回はBenQカラーマネジメントモニターSW272Uのレビューです。

- 圧倒的な色表現の正確性(出荷時キャリブレーション)
- ハードウェアキャリブレーション対応
- 遮光フード付属で環境光の影響が皆無
- ワイヤレスで便利なホットキーパックG3
- ケーブル1本で接続可能な90W給電
- 革張りのおしゃれなディスプレイスタンド
- 輝度ムラ補正で色ムラ無し
- クランプ式スタンドでは無い(好みによる)
- 遮光フード使用時はWebカメラやディスプレイライトが使用不可
- 価格が高価(カラーマネジメントモニターとしては標準的な価格)

クリエイターならぜひ導入して欲しい1台です
BenQカラーマネジメントモニターSW272Uのスペックと特徴
最初にBenQカラーマネジメントモニターSW272Uの主要スペックと機能について紹介します。
- BenQカラーマネジメントモニターSW272Uのスペック
- 正確な色再現を可能なAQCOLORシリーズ
- CalMAN認証(CalMAN Verified)および、PANTONEカラー認証取得
BenQカラーマネジメントモニターSW272Uのスペック
機能説明 | |
画面サイズ | 27インチ |
パネルの種類 | IPS |
バックライト技術 | LEDバックライト |
解像度(最大) | 3840×2160 |
明るさ(代表値) | 400ニット |
HDR | HDR10、HLG |
ネイティブコントラスト | 1000:1 |
視野角 (L/R) (CR>=10) | 178°/178° |
応答時間 | 5ミリ秒 |
リフレッシュレート (Hz) | 60 |
色域 | 100% sRGB、99% Adobe RGB、99% P3 |
カラーモード | Adobe RGB、白黒、キャリブレーション 1、キャリブレーション 2、キャリブレーション 3、カスタム、DCI-P3、DICOM、ディスプレイ P3、HDR、M-Book、ペーパー カラー シンク、Rec.709、sRGB |
アスペクト比 | 16:9 |
表示色 | 10億7,000万色 |
PPI | 163 |
表示画面コーティング | 反射防止 |
色温度 | 5000K、6500K、9300K、ユーザーK、ユーザーRGB |
パワーデリバリー(USB C / Thunderbolt 3) | 90W |
チルト(下/上) | -5°~20° |
スイベル(左/右) | 30°/30° |
ピボット | 90° |
VESA ウォールマウント | 100×100mm |
寸法(H×W×D)(遮光フード含む)(mm) | 463.2-603.2×626.12×364.8 |
正確な色再現を可能なAQCOLORシリーズ
BenQのモニターと言えば、AQCOLORシリーズが有名です。
動画を見れば、特徴が分かると思います。
- 色精度のこだわり
- ガンマ、色温度、色域、ユニフォーミティ補正
- デザインのこだわり
- キャリブレーションレポート
あらかじめキチンとした調整をされているのがBenQ AQCOLORシリーズの特徴でクリエイターから絶大な信頼を得ております。
CalMAN認証(CalMAN Verified)および、PANTONEカラー認証取得

表示色域と精度確保の為にカラー品質に関する国際規格CalMAN認証(CalMAN Verified)および、PANTONEカラー認証を取得しております。
キャリブレーションもほどこされており、箱から取り出してすぐに業界標準の色で作業が可能なので、クリエイターが安心して使えるように仕上がっております。
主なスペックまとめ
スペックはこんな感じですが、難しいので写真編集に関する特に重要なスペックは以下の通りです。
BenQカラーマネジメントモニターSW272Uのポイント
- 4K、IPSのアンチグレア液晶
- 色域はsRGBは100%、さらに広域のAdobeRGBも99%カバー
- 10ビット、約10億 7000万もの色を表現可能
- ハードウェアキャリブレーション対応
- CalMAN認証・PANTONEカラー認証取得
- 遮光フード付属
- ホットキーパックG3でモード変更可能
- SDカード挿入可能

写真、動画編集用のカラーマネジメントディスプレイになります
BenQカラーマネジメントモニターSW272U外観レビュー
ここからはSW272Uの外観をレビューします。

最初に届いた箱は27インチモニターとは思えないくらい巨大でした。
重さも10kg以上あるので、女性ひとりでは開封するのも一苦労するレベルの重さです。
左上に謎の黒い封筒が入ってました。

謎の黒い封筒にはキャリブレーションレポートが入っておりました。
本機は工場出荷時に個別キャリブレーションを実施して色味をしっかりと調整しております。

初期値の色温度は6500kに揃えられているそうです。
デフォルト設定でも写真編集は非常に使いやすいので、セットアップ後にキャリブレートする必要はありません。

ディスプレイ本体にはクイックスタートガイドが貼り付けられておりました。
27インチの大型ディスプレイと同じ大きさの紙なので非常に見やすかったです。

ディスプレイ右下の黒い部分はセンサー類がありました。

ディスプレイ下部には各種押しボタンと電源ボタン(一番右)があります。
カラーモードなどの調整もディスプレイ下のボタンですぐに変更できるので、非常に便利です。

さらにディスプレイ下部にはヘッドホン端子とUSB-A端子がありました。
ちょっとしたハブ代わりに使えるディスプレイで抜き差ししやすい位置にあるので重宝します。
驚くべきはSDカードスロット(SD/SDHC/SDXC/MMC)がある点。
写真編集によく考えられているも製品で、数ある製品を見てきましたが、こんなディスプレイは初めて見ました。

裏面はあまり見ることはありませんが、BenQのロゴがあります、
中央にはVESAマウント対応のディスプレイスタンド設置部分がありました、

VESAマウントは100×100mmの標準的なサイズなので、エルゴトロンとかAmazonベーシックのモニターアームが使えます。

背面下部にはあまり抜き差ししない端子類が揃っております。
- USB タイプ B (アップストリーム)
- USB-C
- HDMI (v2.0)×2
HDMIは2つあるので、PCの他にゲーム機接続しても便利です。
個人的にはUSB-C接続で給電(90W)と映像出力が1本のケーブルで完結するので、MacBookなどの方には特におすすめです。

さらに端には電源コンセント接続部分がありました。

こちらが付属のスタンドです。
円柱型のポールのような形状で左右のパンやチルト、高さ調整ができるマルチなスタンドになってます。

スタンドのベースは台形型で下部はレザー仕様になっており、高級感がありまくりです。
モニター下のデッドスペースもちょっとした台座収納にできるので、無駄にはならずおしゃれです。

レザー部分には「PhotoVue」の刻印がさりげなく。

台座とスタンドを合体させるとこんな感じになります。
ベース部分がスペースを取りますが、レザーにすることで小物収納スペースにするナイスアイデアです。

遮光フードが付属しているのも本製品の魅力。
別売りなら買う気にはなりませんが、本体に付属しているからこそ使えるので写真編集や動画編集で真価を発揮します。
ちなみにフードは組み立て式で、不要ならば取り付けなくても良いし、付けっぱなしでも大丈夫です。

ワイヤレス式のホットキーパックG3が付属しているのも魅力です。
「1,2,3」のボタンでは任意のカラーモードにボタン1発で切り替えが可能。
中央のダイヤルでは輝度の調整が瞬時にできたりと利便性をアップさせる神アイテムです。

ホットキーパックG3は傾斜になっており、手前側が低いエルゴノミクスデザインになってます。
有線では無く、稼働は単4電池2つになります。

その他付属品としてはケーブル類は全てそろっております。
- DisplayPort 1.4 ケーブル
- USB Type-Cケーブル
- USB 3.0 ケーブル
- HDMI 2.0ケーブル

その他付属品として、BenQ信者の布(モニター掃除用)と各種説明書と保証書と単4電池がありました。

ディスプレイ本体はベゼルレスのスタイリッシュなデザインです。
下部のベゼルは太めではありますが、押しボタンなどがありこのくらいのベゼルの方が安定してボタン操作ができるので使いやすかったです。

最終的に遮光フードを付けるとこんな見た目になります。
フードは前方に少し圧迫感がありますが、取り外し可能なので普段は付けっぱなしでも問題ありません。
BenQカラーマネジメントモニターSW272Uのメリット
ここではSW272Uを使用して感じたメリットを中心に紹介します。
- 正確な色味でRaw現像が快適
- 4Kモニターとしても非常に優秀
- クリエイターの要望に答えるカラーモード
- 一度使ったら離れられない遮光フード
- 快適さが向上するホットキーパックG3
- ハードウェアキャリブレーション対応
- 高さ調整、縦向き、チルトが可能
- レザーの台座がおしゃれな収納スペース
正確な色味でRaw現像が快適

さすがカラーマネジメントディスプレイ、特に4KモニターだけあってRaw現像時では感動できるほど素晴らしいです。
色域もAdobe RGB99%と今まで表現できなかった微妙なグラデーションの違いもしっかりと表示されます。

色域の違い
- sRGB→Windows規格の色域。印刷向きで色域は狭め
- Adobe RGB→Adobe社が制定。カメラ向けの色域でsRGBよりも広い色域を持つ
従来のsRGBに比べて色域が圧倒的に広いのがAdobe RGBの特徴です。
特に緑や青のカラースペースが広いので、風景写真を編集する方には恩恵があります。
僕のようにポートレートの写真編集をする場合でも、普通のモニターに比べて肌色の微妙なトーンの編集がしやすかったです。
4Kモニターとしても非常に優秀

写真編集や動画編集にはもちろん最適解のモニターですが、一般使いにおいても非常に使いやすいです。

例えばYou Tubeなどの動画鑑賞においても、そもそもの発色が良いので快適に動画鑑賞が可能。
4Kモニターとしての素養も高いので、オールマイティーに活躍します。

さらに拡張色のHDR(ハイだミックレンズ)表示にも対応。
一部You TubeやNetflixなどより明暗差のあるコンテンツの再生も可能で、さらに動画鑑賞時の楽しさがアップします。
クリエイターの要望に答えるカラーモード

SW272Uは使用用途によって瞬時にカラーモードが変更可能です。
- Adobe RGB→写真編集向け
- sRGB→一写真用途&普段使い向け
- モノクロ→モノクロ写真編集向け
- Rec.709→動画編集向け
- DCI-P3→動画(シネマ)向け
- M-book→MacBookに近い色味
特におすすめなのがAdobe RGBモードで写真編集するなら第一に設定しておきたいモードです。
その他MacBookに近い色味のM-bookモードも便利で、デュアルディスプレイ時にはMacBookと近い色で違和感なく作業できるので、ストレスが無く快適でした。
快適さが向上するホットキーパックG3

ワイヤレス接続に進化したホットキーパックG3も快適です。
従来のホットキーパックG2で感じていた、有線のわずらわしさが無くなりデスクがスッキリしました。

ダイヤルを回せば、輝度を上げ下げ可能。
いちいちディスプレイ下の押しづらいボタンを押す必要がありません。
数字ボタンを押せばお好みのカラーモードに1発変更ができます。
僕は以下の設定にしております。
- ボタン1→Adobe RGB
- ボタン2→M-book
- ボタン3→DCI-P3
これにより、写真、普段使い、動画編集と瞬時にモードを変更可能なので時短とストレスが激減しました。

無線になって心配された遅延や繋がらないなどは一切ありませんでした
一度使ったら離れられない遮光フード

初めて使いましたが遮光フードは非常に便利でした。
遮光フードは部屋の照明がディスプレイに反射するのを防ぎ、環境光の影響を最小限に留めます。

環境光が映り込むとディスプレイの色域が狭くなるデメリットがあります。
ディスプレイの性能をフルに発揮するために、遮光フードは取り付けたほうが良いです。

遮光フードは少し面倒ですが取り外しも可能です。
僕はずっと付けっぱなしで運用しておりますが、普通の4Kディスプレイとして使いたい時や圧迫感が気になる方はお好みで外しても大丈夫です。
ハードウェアキャリブレーション

SW272Uはソフトウェアキャリブレーションだけでなく、ハードウェアキャリブレーションに対応しより正確に色味の矯正が可能です。
例えば、多くの写真家が使っているDatacolor SpyderX Proなどで色味のズレを治せます。


遮光フードがついていて、キャリブレーション装置の設置が面倒を思うかもしれませんが上部には小窓が空いております。

こんな感じで小窓からキャリブレーターを吊るせば、即座に測定ができるので遮光フードを付けたままでも使えるので便利でした。
高さ調整、縦向き、チルトが可能


モニターの高さは約14cmほど上下に変更可能。
かなりの高さが調整できるので、デスクとチェアの高さの組み合わせも選びません。


さらにモニターの角度は-5°〜20°まで調整が可能。
高さを揃えたけど、見づらい時に角度調整すれば肩や首が凝らずに角度調整ができてラクに作業ができます。

特殊用途として縦回転も可能です。
Twitterのタイムラインや縦構図写真のRaw現像に最適化されるので、特化型の使い方として楽しかったです。
レザーの台座がおしゃれな収納スペース

本機はクランプ式で台座が大きいデメリットを逆に活かして、おしゃれなレザー収納スペースとして活用できます。
例えば付属のホットキーパックG3やドッキングステーションを載せるとおしゃれで便利です。

遠くから見ても小綺麗には見えるし、デッドスペースが有効活用できるのでモニターボード不要で運用できるのでおすすめと感じました。
BenQカラーマネジメントモニターSW272Uのデメリット

今度は逆にSW272Uのデメリットなどを挙げたいと思います。
- 価格が高価
- クランプ式では無い
価格が高価(カラーマネジメントモニターとしては標準的な価格)
最初に挙げられるのが価格が非常に高価な点。
Amazon実売価格で約221,701円と気軽に買える値段ではありません。
一般的なカラーマネジメントモニターとしては標準的な価格、むしろ安価です
例えば、国産メーカーのEIZOのCG2700Xの価格は¥363,000とSW272Uよりも約14万円も高いです。
もしも遮光フード不要で、Adobe RGBの色域までが不要な方はsRGB 99%が表現できるBenQ PD2705UAが良いかもしれません。
こちらも4K対応ディスプレイでハードウェアキャリブレーションに対応しており、価格もアンダー10万円以下と写真編集用モニターとしては手の届きやすい製品となっております。

クランプ式では無い
外観レビューでも紹介したけど、クランプ式じゃないのは人によってはその時点で購入候補から外すかもしれません。
僕も最初はこの値段でスタンド式は無いと思ってました。

でもこのおしゃれなレザーの台座を見たら、「これめっちゃカッコ良い」と思いました。
もしもスタンドが嫌ならVESAマウントでモニターアームにも換装可能です。

気に入らなければモニターアームを使うのもありです
BenQカラーマネジメントモニターSW272Uの疑問に答える
ここではSW272Uを購入するにあたり疑問に思うだろう点について答えます。

その他質問がありましたらお気軽にコメント下さい!
BenQカラーマネジメントモニターSW272Uがおすすめな人

SW272U購入がおすすめな人は写真・動画編集用のカラーマネジメントモニターが欲しい方です。
Adobe RGB 99%を描写できるディスプレイはプロ用を探しても多くはありません。
さらに標準で遮光フードが付属するのも魅力。
もしも4Kモニターが不要ならばWQHDの SW272Qをチョイスすると半額程度で購入できます。
<WQHD>
<4K>
(まとめ)BenQカラーマネジメントモニターSW272Uレビュー
以上がSW272Uのレビューでした。
4Kカラーマネジメントモニターで写真編集すると、今まで分からなかった微妙な色味の違いが分かり印刷時にも自分の思った色味で出力できて大満足でした。
面倒だった写真のRaw現像もキレイにできるので、満足度は激高です。
写真や動画編集をする人はぜひ導入して欲しい商品だと感じました。

写真編集のモニター沼はこれが終着地点です
<4K>
<WQHD>


